【金子寿衛男先生の略歴】
金子先生アルバムへ
平成13年5月 5期 小掠 勝 
 佐賀県にて1913年出生。 神戸一中在学中に植物化石を求めて、須磨の北部 落合池・多畑・妙法寺(現在のオリックスのグリーンスタジアム付近)の神戸層群の露出地に盛んに通う。 (ここへは 私達の在学中に 20年ぶりと言いながら連れて行かれたし、私に案内されてここに行った部員も何人か居る筈です。)  
 その頃から 中生代の貝類化石に興味を持ち、採集したものを東京の博物館や大学に、同定をしてもらう為に研究者のもとに通う。〔14〜5歳の時ですよ〕  その後、更に研究を続けるために、東京高等師範(現筑波大)に進学。
 卒業と同時に、恩師を慕って台湾台南二中に赴任。 その後、台北大学の黒田徳米博士に招かれ、助手を経て講師となるも、終戦で台北大学は廃校。台湾時代に結婚され二児を得るも、本国に一家四人で着のみ着のまま帰国。本来なら国立大学に転任のところ、混乱期で、ひとまずは食住を得るために大阪に。
 そして昭和24年(1949)われらが市岡高校に職を得られる。
新制大学設立で、大学への道もあった筈だが、いろいろあってそのまま港区に定住し市岡高校に。 その後ジェーン台風に罹災し、昭和町に転居。〔私達はおかげで出会うことが出来ました。〕
  貝類学会会長の黒田博士の代理として学界でもご活躍、 近畿談話会の事務局長として多くの研究者を指導され、博士と共に昭和天皇の研究所にも招かれる。(黒田博士は 昭和天皇の生物学ご指導者の一人。)〔市岡での研究会の時、誰か手伝ってあげたね。〕
 黒田博士引退後も、博士の貴重な採集物の整理に没頭される。〔現在は西宮の貝類博物館に保存されているので。金子先生の業績を知ることが出来る〕それまでの仕事を纏めるだけで、学位は取れたが、先生は肩書きは無視された。ご自分の名を学名に冠した新種の貝も、いくつもあると聞いています。なお、大阪市の地下鉄工事や、弥生時代の遺跡発掘から出土した貝殻やカニ類の報告を多数出しておられる。〔私も写真撮影のお手伝いをしました。〕
 市岡では私や大井川君の叔父・18期藤井正子さんの姉さん等、5期生を初担任。その後8期・11期・14期・16期・20期 ・23期 。そして26期の3年5組を最後の担任として卒業させた。
  昭和53年(1978)3月末、市岡だけの29年間の府立高校教諭を退職。その間、運営委員や14期からは学年主任・生活指導部長・生徒会・図書館長等々、生徒と直接最前線で指導されることが多く、生徒たちにとってその影響は云うに及ばず、生徒急増にともなう多数の新採教師に対する指導者としても直接・間接の影響は計り知れないものがある。
 生物部にとっても その指導法は徹底してフィールド・ワーク重視のナチュラリストで、先生の姿勢に惹かれて籍を置いたものも多い。そして現在の存在の原点が、あの部活動。なかでも合宿を中心にした野外活動の数々にあるといっても過言ではない!と、云える人も多いのではないか。あのような合宿に参加できたことは、市岡に入学をし、生物部に入部してこそ得られるもので、他校に類を見ないものであろう。
 
 よく「人は親の背中を見て育つ」と云うが、タオルでほっかむりして、手に火鋏み、リュック姿で、磯の腐った魚介のゴミの中から 宝物?を探し出し、ニヤッと微笑まれる姿を見たら、逃げるものが多いはずが、何故 惹かれるのか? 近頃は「物理でも化学でも専門が生物でなくてもよい。理科の免許を持っておれば誰でも 何でも教えられる」と、云う理科教育で、はたして先生のあのような「生物学」を  高校で学ぶことがあるだろうか?〔理科嫌いが増える筈やろ〕
 退職後は、大阪市立自然史博物館の設立当初から関係されていた評議員を続けながら、(夏休みの終わる頃の採集物同定会には常連)依頼されて高知県桂浜の貝類博物館々長として(そのために学芸員の資格を取るために勉強され、この歳になって、また試験を受けねばならぬとは!と嘆いておられた。)大阪から通われるが、館の商業主義の方針に合わず間もなくこれを退職。以後はご自分の「微小貝の研究」に専念される。
 
新しい文化施設として平成11年に開館。世界の貝類約2,0005,000点を展示。
また、日本貝類学会創設者の故黒田徳米博士の貝類資料約
3,8004万点を収蔵、展示しています。
【所 地】
西宮浜4丁目13-4(阪神西宮駅またはJR西ノ宮駅からマリナパーク行き阪神バスで「マリナパーク南」下車すぐ)
【電話番号】
0798(33)4888
【開館時間】
10時〜17時(入館は1630分まで)
【休 日】
水曜日(祝日のときは翌日)
【入 料】
大人200円 子供(小・中学生)100円、20人以上は団体割引(2割引)
世界各地から収集した約6,000種の貝を収蔵、そのうち2,000種を常設展示しています。
【所 地】
大浜町1-41(阪神香櫨園駅より南へ徒歩約18分)
【電話番号】
0798(35)5060
【開館時間】
火・土・日曜日の13時から17時(入館は1630分まで)
【入 料】
大人300円 小・中学生150